日本人は地毛が黒いですよね。
そうすると金髪にしたり、青や赤など色鮮やかなカラーを入れるためには、『ブリーチ』という脱色をする工程が必要になります。
公式LINEで今回このようなご質問を受けました。
1週間前にホワイトブリーチをしたくてブリーチとカラーをしました。
そうしたらとてもじゃないくらい痛んでチリチリになってしまいました。
痛んでしまった髪をどうにかする方法はありませんか?
ブリーチで髪が傷んでしまう、というのは世間では一般的なことで多くの方が悩まれていますが、
ブリーチは脱色ですから、どうしても髪の毛と頭皮(付着した場合)にダメージが出てしまいます。
ブリーチで髪が傷んでしまうと、パサパサになってしまい、最悪の場合はチリチリになってしまいます。
◆ツイッターでの美容師さんのコメントも見てみよう
ハイトーンカラー、ハイライト大丈夫ですか?1ヶ月半後に縮毛矯正をかける予定の方へブリーチをすると縮毛矯正が出来なくなりますよ。メッシュだからダメージが少ないといいますが縮毛矯正をかけにくくなりますよ。チリチリになってからでは、遅いですよ
あと1ヶ月半もしたら梅雨の準備が始まります pic.twitter.com/PaahQuDABH— ウッディ (@woodytt0604) April 4, 2017
ということでこの記事は・・・
✔︎これからブリーチを検討している
✔︎ブリーチして髪の毛が傷んでしまったけれど、どうすればいい?
というお悩みの方に読んでいただければと思います。
今回のゲスト解説は、ヘアカラー、ブリーチのプロ集団『PEPPU -TOKYO-』のShinさんです。
ブリーチは髪が傷む?頭皮がやばいって本当?解決策について
日本人を始め、アジア人は髪の毛が黒いですよね。
これは肌が日焼けする原理と同じ、メラニンによって作られる色です。
そのメラニンで作られた黒色を化学薬品の力で脱色するのがブリーチです。
その主たる原料は酸化作用がとても強い『過酸化水素』という薬剤です。
お風呂のカビ取りスプレーと同じ原料ですね。
原理はメラニンの粒子をこの過酸化水素で小さくして人間の目に見えない波長にしてしまう、というものです。
ただし、過酸化水素には皮膚刺激性があるため、髪の毛、頭皮に刺激があり傷んでしまうのです。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=MSukBDg-t4w
過酸化水素単体の刺激性に関する実験結果について厚生労働省が公式に発表しているSDS(セーフティー・データ・シート)を見てみましょう。
ウサギを用いた実験では、皮膚の全層に及ぶ壊死、あるいは腐食があったと記されています。
つまりは、ブリーチの主原料の過酸化水素で皮膚が腐ってしまったという結論です。
もちろん髪に使用するものは濃度が違いますし、この実験結果は人に対して行ったものではありません。
とはいえ、美容師さんとしては、ブリーチの薬剤を頭皮につけないように努力をしております。
万が一皮膚についてしまうとヒリヒリしたり、膿が出たりする人がいるからです。
それともうひとつ。
ブリーチ剤にはアンモニアという成分が配合されています。
このアンモニアは、ブリーチのみならず、ヘアカラー剤、パーマ剤、縮毛矯正剤にも配合されています。
このアンモニアは、髪の毛を保護しているキューティクルをこじ開けるので、髪の毛がギシギシになったり、パサパサする原因になります。
こじ開けたキューティクルを通って過酸化水素が浸透、メラニンを小さくしていきます。
アンモニアに関して厚生労働省が公表している資料を見てみましょう。
こちらも実験時アンモニアの濃度とブリーチに含まれるアンモニアの濃度は違いますから一概に比較はできませんが、皮膚に刺激はあると記載がります。
ブリーチで頭皮を守る方法は?
Mame:ブリーチは頭皮に刺激がありますが、お客様の頭皮を守るために何か対策をしていることはありますか?
Shin:当然のことながら、敏感肌にお客様にはブリーチの薬剤を直接頭皮につけないようにしてますね。
僕自身が、ブリーチでカサブタができてしまうタイプなので、そんなことがお客様に起きないように、根元から5mm〜1cm程度あけて薬剤を塗っています。
Mame:ブリーチ剤はどうしても頭皮に刺激があるので、美容師さんのこのような気遣いが大切、ということですね。
Shin:はい。こうやって頭皮に気をつけながら、ムラなく施術させていただいております。
ブリーチで痛んでしまった髪の対処法について
ブリーチで傷んでしまった髪は、すでに死んだ細胞。
すなわちまた元どおりの健康な髪の毛に戻ることはありません。
ですから、今の傷んだ状態から悪化させないこと、そして保護してあげてあげることが大事です。
そして、スタイリング剤を使ってヘアメイクしてあげれば、髪の毛につやを出すことができます。
言い換えれば『ツヤがあれば傷んでいないように見せる(メイキャップ効果)』ということができます。
そのために、一般的にトリートメントというものがあるわけですが、
トリートメントはシャンプーで落ちてしまうという欠点があります。
そして重要なのはトリートメントは髪の修復です。修復はできません。
上質なトリートメント(天然オイル配合など)は美容室でも1回、3,000円〜と高めですよね。
その時は髪の毛がサラサラになってもシャンプーで落ちるのであれば、その場しのぎになってしまいます。
◆ツイッターでの美容師さんのコメント
【全部一緒!】
リンス、コンディショナー、トリートメント…
色々あるけど実はほとんどが大差ないもの。一応違いはあっても、規定は定められていないから必ずしもトリートメントやヘアマスクなどが効果があるものではない。そもそも髪は治らないから、傷ませないようにしないと意味ないけどね
— 直井晶子@美容師 (@ak1k0_7) March 16, 2019
おっしゃるように、トリートメント、リンス、ヘアマスクは概ね中身は一緒です。
髪の毛のコーティング、コンディショニングが目的です。
では傷んだ髪にどう対応しているのか?
実はトリートメントの代わりに、ヘアワックスをトリートメント効果のあるものを使っています。
どうせ落ちてしまうならワックスで髪を保湿してあげれば、スタイリングで綺麗に見せることができますよね。
普通、ヘアワックスはセットすると髪の毛が引っかかったり、ベタついて髪を洗う時ギシギシしたりしますよね。
そんな場合には、保湿成分を配合した『プリュム・デュール』を使っています。
もちろん他のワックスとプリュムデュールを混ぜて、トリートメント効果も持たせてお使いいただけます。
保湿成分として『アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)』『ホホバオイル(ホホバ種子油)』が入っています。
プリュム・デュール単体でもこんな感じのスタイリング。
傷んだ髪が治っているわけではありませんが、このようにブリーチで傷んだ髪も艶を与え、しっとりまとまります(スタイリング効果)。僕も使ってます。
傷んだ髪のスタイリングにはトリートメントワックスをどうぞ
トリートメントは髪の毛の保護をしてくれますが、シャンプーで落ちます。
ですから、毎日使うヘアワックスがトリートメント同様の効果(保湿)があれば、
朝つける(保護)⇨夜シャンプーする⇨落ちる⇨また朝つける(保護)
といった好循環サイクルが。
傷んでしまった髪はチリついてまとまりにくいですからスタイリングしてあげましょう。
◆実際に傷んだ髪にプリュムデュールを使ってスタイリングしてみた
毎日つけるものだから、簡単でなければいけないですよね。
これらは全てお客様の声から生まれた商品なんです。
お客様との一対一の意見交換の中から生まれたヘアワックスです。
まとめ
いかがでしたか?
ブリーチは髪が傷む?頭皮がやばいって本当?という疑問について解説致しました。
要点をまとめると・・・
✔︎ブリーチの原料は『過酸化水素』『アンモニア』。どうしても髪と頭皮は傷む。
✔︎傷んだ髪は死んだ細胞。だから生き返らない。
ということです。
でひこの記事が髪の毛でお悩みの皆様のお役に立てられれば幸いです。
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2016年からMen’s Beautiful.comを運営、くせ毛・剛毛・敏感肌のお客様のため天然成分にこだわったシャンプー、ワックス、ヘアオイルなどの商品開発をしています。
現在は東京で美容室経営、ヘアケアメディア運営、ヘアケアブランドを運営する会社『マクスタート 』のCOOをしています。